ここのところ、ブレンディッドラーニングのすごさについて書いています。
今回はその9回目。
今回のテーマは、
「オンラインとオフラインの労働比率」
です。
そもそもブレンディッドラーニング(以下、BL)とは、
eラーニングを使ったオンライン学習と従来の対面式授業(=オフライン)を1つの授業の中でミックスした授業モデルのことを言います。
かつてeラーニングがもてはやされた時期もありましたが、
eコンテンツを学習者に与えただけの、いわゆるほったらかし通信教育では、
どうしてもドロップアウト率(学習中途放棄率)が高くなってしまう。
なので、それに代わる学習モデルとして出てきたのがBLモデルなわけです。
BLモデルだと、とりあえず教師の目の届くところ(=教室)に学習者を集めることになるので、
ドロップアウト率をグンと下げることができます。
で、パソコンと教師の役割分担をどうするかというと、
現在のところ、まだまだ試行錯誤、暗中模索、二転三転、五里霧中というのが現状のようです。
そこで、私は授業実践を通じて、その役割分担を整大雑把に整理してみました。
オンラインの役割−大多数に対する一斉授業
1.学習コンテンツの提供
2.学習進捗状況の把握・管理
3.定期試験の実施・採点
オフラインの役割−個に応じた指導
1.出席管理業務
2.学習アドバイザー
3.メンター
「メンター」というのは、聞きなれないかもしれませんが、平たく言うと、「精神的な援助者」「心の支え」といったところです。
学習者には、こういうのが意外と必要だったりします。
で、このオンラインとオフラインの労働比率、すなわり授業中の仕事量をざっと出してみると、
「オンライン:オフライン=8:2」
です。
これは、あくまでも私の感触なので厳密な数値ではないのですが、
これぐらい教師の授業負担は減ります。(かなり楽です。)
よくビジネスの分野では「ニッパチの法則」というのがありますが、
これは、まさにそれ。
しかもBLモデルの成功のカギは、実は2割のオフラインの働きに依っていたりします。
皆さんも中学や高校の印象深かった先生、好きだった先生って、
教える内容よりも、その先生の個性や価値観だったりしませんか?
ルーティーンな教育をパソコンに任せた分、
教師はしっかり個性を磨いて、魅力的な授業演出に注力する。
これこそが、BLモデルの成功のカギ!なわけです。
…進ぬ!BL教師! 古いか!!
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>>ちょっとCM<<
私篠崎が、春の日本語教育学会でeコンテンツとBLモデルを紹介します。
日時:5月22・23日(私の発表は23日9:30−11:30)
場所:早稲田大学14号館408教室
…お待ちしています。