『上達の法則―効率のよい努力を科学する』714円
この本は、どうすれば効率よく上達するのか、上達する人とそうでない人はどう違うのかについて、心理学の観点から分かりやすく解説した本です。
心理学とはいっても、小難しい理論はほとんどありません。身近な事例から上達のツボを解いているので、予備知識なしで読むことができます。
筆者の岡本先生はこう述べます(p.44)。
「当たりまえのことだが、上達したいと思ったら、まず始めることである。「どうやったら上達するか」をはじめから考えすぎていたら、いつになっても着手できない。やり方がわからないという人は、じつは、やり方がわからないのではなく、それで上達したいという気持ちがまだ高まっていない人である。」
私はこの件にすごく共感できます。
例えば、私は大学で先生方と連絡を取る手段として、よくメールを使います。(メールって、本当に便利です。)
ところが、先生方の中にはメールを使えない方がいる。いや、正確に言うとメールを頑として使わない。
「すみません。私、パソコンとか使わないんで……。」
「いや、先生、メールを使うとこれこれこんなに便利で、連絡もスムーズに取れるんです。ぜひ、アドレスを取得してください。」
「いやー、どうやったらいいか分からないし、手書きも味があっていいものですよ……。」
……どうしてそこまで頑として拒むのか。つくづくもったいない。
なぜもったいないと思うかというと、将来上達するかどうかはともかく、新しいことに手をつけてみることで、予想外に様々な知識やスキルが得られるからです。
例えば、今まで見えなかったことが見えてくる。
「こんなこともできるのか。」と感動したり視野が広がったりする。
難しいと思っていたことも、実際やってみると「な〜んだ。簡単じゃないか。」と拍子抜けすることも。
「始めない。」ということは、それだけで様々な可能性を自ら断ち切っていることになるわけです。
そういえば、「学ぶ必要性があり学ぶ手段も明らかなのにあえて学ばないのは、社会に対する傲慢以外の何ものでもない。」と、何かの本で読んだことがあります。(この言葉にもひどく共感できます。)
つまりはこれは、社会が日々進歩発展しているにもかかわらず、「今の自分の技量で十分世の中渡っていけるさ。」という上から目線の裏返しに他ならないということ。
ナメてるんですね。世の中を。
私だったら、そんな状態で学生に「もっと勉強しろ!」なんて、恥ずかしくてとても言えません。
ところで、私は今複数のサイトやブログ、メルマガを運営しています。
クオリティもアクセスもまだまだですし、コンテンツ作成に関する技術についても目下勉強中といったところです。
ですが、少なくともサイトのページの作り方やブログ、メルマガの立ち上げ方、更新の仕方など、最低限のことはわかるようになりました。
そればかりか、日本語教育とは直接関係のないITの世界に踏み入れることで「こんな世界もあるのか。日頃の活動とはスケールが全然違う。」と驚くことしきりです。
初めてサイトを立ち上げた3年前は、「HTMLタグ」という言葉すら知りませんでした。
ブログやメルマガなど、自分とは縁のない世界だと思っていました。
ですが、そう思っていた数週間後に思い立ってやってみたら、「えっ、こんなんでできる?」と拍子抜けするほど、あっさりできてしまった。
もちろん、今までいろいろな方に聞き回っては教えを請いましたし、失敗もたくさんしました(これは今も続いています。)
ですが、もし3年前に「やっぱりめんどくさい」と思って何もしなかったら、間違いなく今のように活動を広げることはできなかっただろうし、皆さんとの出会いもなかったと思います。
「まず始めること。」当たり前のようでいて、含蓄のある言葉だと思います。
皆さんは、何か始めることに躊躇っていること、ありますか?
本当に勉強になる本です。
『上達の法則―効率のよい努力を科学する』714円


