【キャリア形成は、目先追随と俯瞰的逆算の二重螺旋。】
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日本語教師篠崎大司研究室〔有料版〕」より。
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これまで、2回にわたって俯瞰的逆算思考
について綴ってきました。
こういう風に書いてくると、
まるで、
目先追随思考=ダメ思考
俯瞰的逆算思考=いい思考
と思われるかもしれませんが、
私はそうは思いません。
結論から言えば、両者をうまく使い分けることによって、
効果的にキャリア形成ができるのではないかと考えています。
そもそもキャリア形成というものは、
右肩上がりの一直線に上がって
いくのではなく、
最初は上がることなく平坦で、
しばらくしてから少しずつ上昇し始め、
やがて、その角度がどんどん上がり、
頂点まで上り詰めたところで
次なるステージにランクアップし、
そしてまたしばらく平坦。
(ここをキャリア形成の踊り場と言うそうですが。)
そしてまた、少しずつ上昇と。
こうして、緩やかな階段状に形成されていく。
そうすると、例えば新たなステージに
ランクアップしたばかりのときに
俯瞰的逆算思考で行動しようとしても、
そうそううまくはいくわけがない。
なぜなら、まだそのステージの勝手が
わからないからです。
逆算するにも計算のしようがないからです。
こういう段階では、やはり上司や先生や
先輩など、(状況論的学習論的に言えば、
「古参者」「熟達者」ってやつです。)
周囲の人のアドバイスに素直に真面目に従い、
求められることを、きっちりこなしていきながら、
(つまり、目先追随的に)
一つ一つ学んでいく姿勢がとても重要だと思います。
(ここで素直さや真面目さを出せなければ、
健全なキャリア形成は、かなり難しい
でしょう。)
逆に、今のみなさんのように、
いよいよ検定試験を受けるとか、
いよいよ上の学校に進学するとか、
いよいよ就職活動するとか、
新たなステージを目前に控えた段階であれば、
これまで述べてきたような俯瞰的逆算思考
が功を奏すのではないかと思います。
こうやって、
目先追随思考と俯瞰的逆算思考が
まるで、二重螺旋を形作るように
絡み合いながら、
より高みに上っていくことによって
キャリアが形成されていくのでは
ないかと思います。
今、自分はどの段階にあるのか。
今、どういう思考(姿勢)で事に臨むべきか。
時々そんなことを考えながら、
その時々にあった戦略を考えてみる、
というのも、キャリア形成にあっては
大切なことではないかと思います。
…素直さと真面目さは、いつも大事ですけどね^^
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【常に「正しさ」の真ん中に身を置く。】
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今日から、新しい在留制度が始まります。
新しい在留管理制度
http://www.immi-moj.go.jp/newimmiact_1/index.html
新しい在留管理制度では、従来の法務省(入管)と市区町村
による二元的な管理から、
法務省(入管)の一元的な管理へと整理されます。
これにより、従来の外国人登録証が廃止され、
かわって、「在留カード」が発行されます。
興味深いのは、在留カードには、その外国人の就労制限の有無や
資格外活動の許可の有無が記載されているということ。
つまり、事業主にとっては、適法に就労できる外国人を
雇用しやすくなったとともに、
不法就労の外国人を雇った事業主に対しては、
「どうして在留カードを確認しなかったんですか。」
とより厳しく対応できることになるわけで、
これにより、不法滞在者の抑制につなげることができるわけです。
そもそも、今回の在留制度が改められた一番の目的は、
「外国人の適正な在留の確保」
です。
ですから、不法に在留している外国人にとっては、
在留カードが発行されないし、仕事しづらくなるし、
要は日本に居づらくなる。
一方、適正に在留している外国人の方にとっては
今回の改正で、在留期間が最長3年から最長5年になり、
再入国許可の手続もかなり簡素化されてとても便利になる。
つまりは、今回の改正であたふたしている人は
今まで正しいことをしてこなかった人であり、
今まで正しいことをしてきた人は、慌てることもなく
むしろ恩恵を受けることになるわけです。
このように、
世の中の変化に伴い、制度や法律などもそれに合わせて
どんどん最適化されるわけですが、
どんなに制度や法律が変わろうとも、
常に「正しさ」の真ん中に身を置いている人は、
決して揺らぐことはありません。
「土俵の真ん中で相撲をとれ」
という言葉がありますが、
日本語教育の世界も、
学習者の増減や、各種試験の改定など
何かと変化の激しい業界です。
しかし、そういう中にあっても、
日本語教師として、
常に「正しさ」の真ん中に身を置く
よう努めれば、
そうそう揺らぐものではないのではないかと、
今までの僅かな経験から思います。
何かの参考になれば。
…自分は、土俵のどの辺にいるんだろうか。
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【「どうぞ、打ってきてください。」の精神。】
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目下、8月の昇段審査(剣道五段)に向けて、
ちょこちょこ稽古しています。
(ちょこちょこじゃダメなんだけどなぁ(焦))
で、昨日も1時間ほど稽古したわけですが、
稽古の後、七段の先生からこんな
優しくも厳しいご教示をいただきました。
「篠崎君、君はいつも、当てよう、当てよう。
打とう、打とう。打たれまい、打たれまい。
そう思うて剣道しよる。
それが却って、品格のない剣道にしてる。
打たれてもいいんだよ。
『どうぞ、打ってきてください。』
『どうぞ、打たせてあげますよ。』
そういう気持ちで、堂々と構える。
そしたらね、確かに打たれるよ。
打たれはするんだけど、
はたから見てると、それは、
『打たれた。』んじゃなくて、
『今のは打たせてやったんだな。』となる。
そして、
『あぁ、この剣士は、品も格もある
立派な剣道をしているな。』
となるんだよ。
今の君は、まだ打った打たれたに
こだわってる。
学生剣道の延長みたいな剣道なんだな。」
まさしくもってその通りです。
(恐ろしいくらいに、すべてお見通しです。)
「打とう、打とう。打たれまい、打たれまい。」
そう思うと、相手のちょっとした攻めに
過敏に反応して、逆に隙をつかれて打たれたり、
無理な態勢から無理やり打っていって、
返し技を打たれたり。
つまりは、相手に怯えてるだけなんですね。
逆に、「どうぞ、打ってきてください。」
と、正々堂々と構えていれば、
相手の動きもよく見え、冷静に判断でき、
パンパンッ!と、うまく返し技を出すことも
できるでしょう。
考えてみれば、日本語教育も似たようなところ
があるかな、と思うわけです。
例えば、しこたま準備をして授業に臨む。
「授業をしっかり引っ張ろう、引っ張ろう。
優秀な学生に難しい質問をされないよう、
不真面目な学生に授業をかき乱されないよう、
こちらから、間髪入れずにガンガン
問題や質問を投げかけよう。」
一見いいようですが、これでは却って
教師自身が固くなってしまい、
授業に広がりや、それこそ真正性のある
コミュニケーションを展開するのは難しいでしょう。
「どうぞ、どんどん質問してください。」
「どうぞ、授業を脱線させてください。」
「どうぞ、自分の意見を言ってください。」
そう構えてこそ、教師としての品格が
出てくるのではないかと思います。
もちろん、そう思えるためには、その裏で
「どんな質問でも、どんな脱線でも、
私はちゃんと受け止めて、すかさず切り返して、
鮮やかに授業の本筋に戻して見せますよ。」
という確固とした自信があるからに他なりません。
だから、剣道同様、一朝一夕に
できるものではありませんが、
無理やりにでも、学生の前ではそう
演じ切る努力をし続けなければ、
おそらく「どうぞ、……」の域に
到達することはできないでしょう。
「どうぞ、打ってきてください。」の精神。
10年食べていける日本語教師を目指すのであれば、
心に留めておきたい言葉だと思います。
…驚・懼・疑・惑。まだまだ、修行が足りん。
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【特定の分野で一番を目指す。】
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さて、ここで問題。
「日本で一番高い山は?」
バカにするな!……確かに^^
では、「日本で二番目に高い山は?」
……。
これ知っている人、かなりマニアック。
正解は、北岳(山梨県)。
これは、株式会社武蔵野の小山昇社長の有名な言葉で、
(数年前、ちょっと流行りましたね^^)
つまり、人間というのは、結局一番しか見ていない
ということなんですね。
私は、この言葉を初めて聞いたとき、
軽いショックを受けました。
しかも、考えれば考えるほど、この傾向は、これから
どんどん進んでいくだろう、と思いました。
なぜなら、インターネットのおかげで
一番のものが何かを知りやすくなり、
また、手に入れやすくもなったから。
このことはつまり、
ある特定の分野で一番になった者が、
その市場を限りなく独占に近い形で
手中にすることを意味するわけです。
このことは、日本語教育の世界も
決して例外ではなく、
「特定分野の一番」を持つ教師と
持たざる教師には、
学術上はもちろんのこと、
ビジネスの上においても
歴然とした差が出てしまう、
ということになるのではないかと思います。
ここで私が言いたいのは、
それがいいとか悪いとかではなく、
そうした現実の上に立って、
「じゃ、自分はどうするか。」
を考えなければならいということ。
であれば、私たち日本語教師も
早いうちに得意の分野を見つけ、
そこを徹底的に深掘りし、
一番を目指すということが
これから非常に重要になってくる
のではないかと思います。
検定試験を目指す方々は、
今はまだそういう段階ではありませんが、
検定試験に合格し、晴れて日本語教師に
なった暁には、
そうしたことも視野に入れて活動
しなければならないということを、
ある程度、念頭に入れておいて
損はないと思います。
「自分の性に合う分野はどこか。」
試験勉強をしながらちょっと考えてみる
ということも、
キャリア形成を考える上で大事なことではないかな
と思います。
…私も他人事ではない。
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【1つ先の目標まで視野に入れる。】
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私は、大学で留学生を相手に日本語能力試験N1対策を
ブレンディッドラーニングで行なっていますが、
週末に試験を控えたこの時期になると、
自分は到底合格できないと考える学生が
やっぱり出てきます。
でも、そういう留学生でも大きく2つの
タイプがあるようです。
それは、
今回はダメでも次の試験に間に合うように
自分なりにしっかり勉強している学生と、
すっかりあきらめモードになって、
やる気を失っている学生。
両者の違いは、
目の前しか見ていないか、その先をみているかです。
前者のタイプがどうして頑張れるのかというと、
もちろん性格的な部分もあるでしょうが、
往々にして、
「卒業したら日本の企業に就職したいから、
遅くても卒業までにはN1に合格したい。」とか、
「将来どういう道に進むかはわからないけど、
日本に留学したからには、N1に合格して
いないと、次の道が開けない。」など、
N1合格の次の目標をみているからです。
つまり、N1合格は目標というより、
1つの通過点と考えているんですね。
(しかも、そういう学生は、今回落ちても
次の試験でだいたい合格する。)
この考え方のとてもいいところは、
その先にあるもっと大きな目標を視野に入れることで、
目の前の目標が、相対的に小さく見えるということです。
だから、頑張ろうという気持ちも湧いてくると。
一方、後者のタイプには、そういうビジョンがない。
先々の人生設計が描けてないわけです。
「どうせ今回はダメに決まってる。」
で発想が止まってしまってるんですね。
しかも、自分で勝手に早々と結論付ける
ところが、このタイプの学生の大きな特徴です。
私はそういう自ら可能性の芽を摘んでいる学生を
みていると、本当にもったいないなぁと思います。
(能力の差なんて、ほとんどありませんからね。)
でも、これは学生に限ったことではなく、
私たち自身にも言えること。(当然のごとく私も(爆))
例えば、日本語教育能力検定試験を受ける。
合格率20%の難関試験。
全力で取り組むには申し分のない大きな目標です。
一瞬ひるみますよね。
やっぱり無理かな、って思ったりする。
でも、そこで大事なことは、
「そこがゴールではない。」
と思えるかどうかということ。
検定試験合格の先には、日本語教師として
教壇に立つという、もっと大きな目標があります。
実習を経験した方は、教壇に立つプレッシャーや
ものすごい緊張感を肌で感じたことでしょう。
でも、プロの日本語教師になれば、
それが、普通に毎日続きます。
1日に2時間とか3時間とか、
普通に授業をしなければなりません。
24時間、日本語教育で頭がいっぱいです。
週末だって、授業準備で潰れたりします。
でも、そんなの比べ物にならないほどの
教える喜びや、異文化と直に接する楽しさ
がある。
日本語教師になるって、そういう事なんですね。
そう考えたら、確かに検定試験合格は
大きな関門ではあるけれども、
これから先ずっと続く日本語教師人生の中では、
実は、そんなに大きな山ではありません。
(「え〜!!」って思った方。
1日何時間試験勉強しているか、
考えてみてください。)
また、そこまで思いを馳せることで、
翻って、今やっている勉強の意味が、
より深いレベルで理解できるのでは
ないかと思います。
(単なる資格マニアではなく。)
1つ先の目標まで視野に入れる。
検定試験に合格して、晴れて教師になった後も、
大切な考えではないかと思います。
…3年後の自分を想像しながら仕事をすると、
結構楽しい^^
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【立ち位置を定める。】
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先日16日・17日、日本語教育学会研究集会【九州地区】
に参加してきました。
2012 年度日本語教育学会研究集会 第2回
【研究発表・ワークショップ】九州地区(熊本)
http://www.nkg.or.jp/kenkyu/kenkyushukai/2012/kk-12-02.pdf
そこで私もポスター発表をしてきたわけですが、
私がとても楽しみにしていたものの1つが、
1日目、日本語教育におけるピア・ラーニング
実践研究の第一人者、池田玲子先生のご講演でした。
「日本語教育のピア・ラーニング
―協働の理論と授業デザインの実際―」
講師:池田玲子氏(東京海洋大学)
先生のご著書
『ピア・ラーニング入門
―創造的な学びのデザインのために』
http://goo.gl/ckju0
ピア・ラーニングのピア(peer)とは、「仲間」の意味。
つまり、ピア・ラーニングとは、学習者同士の
対話を通じて、協力し合いつつ、互いの知識や
力を発揮しながら学ぶ、
学習者主導の極めて創造的な学習方法です。
一方、私がやっているブレンディッド
ラーニングはというと、
学習者同士の対話は基本不必要。
協力よりも個人の力でどんどんパソコン上で問題を解き、
あくまでも学習者個人の学力の引き上げが目的で、
学習者主導というより、プログラム主導。
(しかもプログラムを作ったのは、この私。)
創造的というより、完全に知識詰め込み型。
ある意味、真逆のアプローチです。
しかも、池田先生はご講演の中で、
「従来の教育」と「ピア・ラーニング」を対比しながら、
「従来の教育は教師主導で、知識詰め込み、
授業中、学習者同士の会話は禁止され……。」
池田先生のご講演を聞きながら、正直、
「明日のポスター発表、ウケ悪いだろうなぁ。」
と感じていました。
ところが、池田先生は、その後、こうおっしゃったのです。
「私は、従来の教育を否定するつもりはありません。
ピア・ラーニングは、答えのない問題に対して
新たな答えを創造するのに向いた学習方法なのです。」
であれば、私がやっているBLモデルの
試験対策授業というのは、
「既に答えのある問題に対して、効率的で有意義な
学びを実現するのに向いた学習方法」
と言うことができるのではないか。
その時、私は自分の立ち位置が定まったような
感触を受けました。
「温故知新」という言葉があります。
変化のめまぐるしい現代では、従来の知識とスキルだけで
対応するには限界があり、
従って、新たな知識やスキルを自らあるいはチーム単位で
生み出す力が求められている。
それは確かだと思います。
しかし、その一方で、先人が積み上げてきた知の集積と
いうものを、
今まで以上に短期間に、効率的かつ有意義に
吸収することを求められているのも、また事実。
今の人材育成に求められているのは、
まさに、この両者のバランス。
そう考えれば、
「知新」すなわち「新たな知の創造」を支える
一学習形態がピア・ラーニングだとすれば、
「温故」すなわち「先人の知の伝承」を支える
一学習形態が(私がやっているようなタイプの)
ブレンディッド・ラーニングなのではないか。
であれば、この両者が、大きな学びの枠の中で
うまくシンクロすることによって、
普遍性の高い学びのデザインを実現することが
できるのではないか。
そんなふうに考えたわけです。
その瞬間、自分の研究の立ち位置が
かなり明確に定まったように感じました。
自分の立ち位置を定まれば、
これからの活動の方向性が定まり、
推進力が高まり、言動にブレがなくなり、
無駄な力が抜け、安定感が増します。
つまり、成果を生みやすい体制に
自らを整えることができるわけです。
自分なりに少しずつでも
立ち位置を定めていく。
10年教師を目指す上でも、
とても大切なことかと思います。
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【得手に帆を上げて】
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私は、瞬発力はありません。
小学校(4年ぐらいかな)のときの50m走の記録は、
たしか12秒か13秒台です。
100mではありません。50mです。
中学に入ると、少しはましになりましたが、
でも、やっぱり短距離は苦手でした。
(ちなみに、球技も基本苦手です。)
私は、実は作文が苦手です。
高1のとき、夏休みの読書感想文を出さなかったばかりに
現国の先生を激怒させ、1か月間、現国の時間だけ
廊下で勉強しましたことがあります。
吹きすさぶ廊下は、確かに寒かったですが、
「作文書くよりましか。」
と思って、むしろ喜んで自分の机を
廊下に出していました。
それから、私は、実は人と話すのが
あまり得意ではありません。
たぶん、もともとアドリブの利く
性格ではないからでしょう。
(頭が固いんですね。)
なので、聞き手に回ることが多いです。
この他にも、私の苦手なことは数知れず
ありますが、
そんな苦手意識だらけ(あるいは欠点だらけ)
の私が、唯一何か誇れるものがあるとしたら、
それは、「持久力」「継続力」です。
(まあ、半分以上は思い込みですが。)
子どもの頃、
短距離走は苦手でしたが、長距離走は得意でした。
メルマガを配信し続けて、長いものだと
もう6年になります。
中学で始めた剣道は、未だに試合では
ちっとも勝てませんが、
もうかれこれ20数年です。
(途中ブランクがあったので。)
大学時代の剣道部の同期の中で
今も続けているのは、私ともう一人(たぶん)。
今年の夏は、五段の昇段を目指しています。
そうやって、今までの自分を振り返ってみて、
「自分には、いわゆるセンス的なものはないけれど、
持久力・継続力はそれなりにあるな。」
と思い、
(続けたことで、何か優れた結果を
残したわけではありません。
ただ、続けただけです。
悲しいですが、ここがポイントです。)
「そんな自分が、日本語教育の中でどうやって
自分の立ち位置を定めていくか。」
「続けることで、確実に成果に結びつく研究分野は何か。」
を考えて、出した結論がブレンディッド・ラーニングの
開発研究でした。
ブレンディッドラーニング研究の基本は
学習コンテンツの開発です。
これを開発しなければ、何も語れません。
しかし、これがまた、果てしなく地味で単調な
作業が延々と続きます。
例えば、私が開発した日能試N1対策の
文法コンテンツは、1コマ90分×13回分
のコンテンツですが、
コース全体で文法問題が約1,000問。
すべてが四肢選択なので
選択肢のフィードバック原稿が4,000。
これを、地道にコツコツ作っていかなければ
ならないわけですから、
一人でやろうとすれば、それなりの
持久力や継続力がなければできません。
だから、
「自分がやるならこの分野しかない。」
と思ったわけです。
そう思ってからの約5年は、土日祝日も
ほぼすべて返上してコンテンツ開発に没頭しました。
(というか、性格上、没頭できた。)
おかげで、今は学習コンテンツを3コース構築し、
授業準備ほぼ0でありながら、学習者からも喜ばれる
そんな授業が実践できています。
また、その様子をネットで紹介することによって、
海外からも目を向けていただけるようになりました。
今は、これまで作ったコンテンツのリニューアル版を
科研費などをいただきながら構築しているとともに、
さらなる新しいコンテンツ開発に取り組んでいます。
自分の中である程度ノウハウ的なものができたので、
開発スタッフの方々に、おおかたの仕事を
お願いできています。
自分は持久力・継続力はあるという、
(ほとんど思い込みですけどね、念のため。)
得手に帆をあげたからこそ、ここまで来れたと思います。
日本語教育は、ますますその多様性を増しています。
それは一見、とても面倒なことのようではあるけれども
逆に言えば、必ずどこかに自分の性に合った分野がある
ということでもあります。
試験勉強をする中で、自分の得手は何かと自問しつつ、
「日本語教育の中で自分の得手を最高に活かせられる形
は何か。」
を時々考えてみてはいかがでしょうか。
リアルに考えた分だけ、未来への準備に
つながるのではないかと思います。
…今回も長く書いたな。
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