といっても、今回は実際の授業の様子といっても、「ハードル競走」とはどういう意味なのか、その基本的なパターンです。
実際の授業はもっと複雑になるはずです。
でも、基本的なパターンさえ押さえておけば、授業ではパターンを幹としていくらでも枝葉を膨らますことができるし、脱線してもすぐ元に戻すことができます。
「ハードル」とは、会話タスクの途中途中に作ったちょっとした障害です。で、それを乗り越えられるかどうかで学習者の会話力をみるわけです。例えば、こんな感じです。
タスク(ロールプレイ):「友人をカラオケに誘ってください。」
(A:学生、B:教師)
A:○○さん、今日カラオケに行きませんか?
B:いいですねえ。
あ、でも、今日アルバイトがあります。(←ハードル)
A:え・・・!じゃあ、明日は?(第1ハードルクリア!)
B:あした?あしたは大丈夫です。
あ、でも、おかねがありません。(←ハードル)
A:え!・・だ、だいじょうぶですよ。
あのカラオケ屋は500円ですから。
(第2ハードルクリア!)
B:そうですか。いいですねえ。
あ、でも、私日本の歌はわかりません。(←ハードル)
A:歌わなくてもいいです。
聞くだけでいいですよ。(第3ハードルクリア!)
B:そうですか。よかった。
でも、私お酒はダメです。(←ハードル)
A:は?・・だ・・大丈夫。ジュースがあります。
(第4ハードルクリア!)
B:そうですか。じゃあ、いきましょう。(←ゴール)
分かりましたでしょうか。これが「ハードル競走」型会話授業の基本です。
授業では、最初に教師×学習者でモデルをやって、学習者がつまづくたびに「この時、なんと言いますか。」と問いかけ、語彙や文型を導入しながら談話を作っていきます。
その後、ペアで会話練習をさせます。
このやり方だと、タスクのレベルを調節することで大体の学習者に対応できますし、会話の試験も採点しやすくなります。
感じとしては、質問やツッコミで学習者を右に左にいなすようなイメージです。
いなされて驚いたりちょっと困ったりする学習者の顔を楽しめるようになったら、教師としてはしめたものです。(人間としていかがなものか・・。)
会話の授業が苦手な方は、上の例を一人でぶつぶつ言いながら何度かシュミレーションしてみてください。
すぐ慣れます。
◇ ◇ ◇
さて、次回の「ホントは簡単!会話の授業」は、・・・
(5)「会話の授業は場面が命!」です。
どうぞ、お楽しみに。
参考文献:
『OPIの考え方に基づいた日本語教授法―話す能力を高めるために』
『ACTFL‐OPI入門―日本語学習者の「話す力」を客観的に測る』



学生の表情が一変しますよね。
でも、こちらが涼しい笑顔でじっと待っていると(これ、大事!)、学生は「何とかしなきゃ。」と思って、いろいろ考えながらしゃべります。
そして、なんとかタスクをこなす。
で、その経験が自信となって、そのうち日本人と話す度胸がついてくる。
初級でここまで来ると、後はずいぶん楽ですよね。