学習者の出席率を劇的に引き上げる協働(もどき)学習(4)「ポイントセール大作戦」

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プロフィール

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名前:篠崎大司(1971年生まれ)
出身:愛媛県
性別:男
職業:日本語教師(別府大学准教授)
ウェブサイトURL:http://www.kanjifumi.jp
一言:日本語教師というのは、本当におもしろくてやりがいのある仕事だと思います。

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学習者の出席率を劇的に引き上げる協働(もどき)学習(4)「ポイントセール大作戦」

 前回は、(3)「ペナルティを決める」についてお話しました。


 学習者が決めたペナルティは、下の写真のように教室の一番目に付く所に貼ってあります。


DSC04725.JPG


 アップにするとこんな感じです。


.bmp


 ちょっと分かりにくいかもしれませんが、雰囲気はお分かりいただけるのではないかと思います。(写真をクリックすると大きくなります。)


 後期からは、ちゃんとワードかなんかでフォームを作ろうと思います。


 さて、読者の皆さんの中には、


 「学習者に自己責任でペナルティを決めさせたのだから、あとは毎週出席率をチェックして、ダメなグループにはペナルティをさせればいいんじゃないの?」


 と思われる方がいるかもしれません。


 それで十分というクラスもあるでしょう。


 ですが、私が担当した20歳前後のクラスでは、これだけの仕掛けで定期試験までもたすのはかなり困難でした。


 始めのうちはみんな気が張っているので、ペナルティなどという仕組みがいらない位、ちゃんと出席します。


 しかし、やがて息切れの時期が来ます。


 ある学生が2〜3回続けて休むと、それが周りの学生に伝播し、バタバタッと数人休むようになります。


 私が今まで受け持ったクラスの場合は、入れ替わり立ち代わり休むような感じだったので、たちどころに80%を切るという感じではありませんでした。


 しかし、クラスの雰囲気はどんどん悪くなっていきます。


 ペナルティという否定的フィードバックは、数週間に一組ぐらいだと際立つので効果がありますが、毎週起こるようになるともはや効果は半減します。


 そんな状況を何とかしようとしてペナルティを強化するとかえって逆効果。学習者に無力感を学習させてしまいかねません。


 学習者を正しい方向に導くためには、否定的なフィードバックだけではダメで、肯定的フィードバックが必要なのです。


 そこで私が考えたのが、


 先週の出席率がグループのメンバー全員80%超えた場合は、そのグループに3ポイント、ついでにメインテキストで課ごとに行う復習テストで70点以上取った学生には一人当たり1ポイントを与える。


 そして、グループ別ポイント表をペナルティシートの上に貼って、「ポイントが一番多いグループには後で何かいいことがありますよ。」と言って、グループごとで競わせる(=自尊心をくすぐる)ようにしたのです。


 下が実際に使用したポイント表です。


DSC04728.JPG


 「そんな幼稚な方法が通用するのか?」


 そう思う方もいるかもしれません。


 しかし、これが割と効果ありです。


「Cグループ頑張ってますねえ。 おや?Dグループ、大丈夫ですか?頑張ってくださいね。」


 などと、適度に発破をかければそれだけで学習者は頑張ります。


 また、自分の学力にあまり自信のない学習者が、たまに復習テストで70点以上取ると、


 「先生、いい点取ったからポイントください!!」


 と、言ってきたりします。


 普段やっている何気ない一つ一つの作業にハリが出てきます。


 大切なことは、否定的なフィードバックだけでなく、学習者のいい行動に対しては小さなことでもきちっと肯定的なフィードバックを与えるということなのです。


 自分のやった「いいこと」をちゃんと認めてもらえれば、それだけで人は嬉しくなるものです。


 この仕掛けによって、たとえクラスの雰囲気が悪くなりそうになっても、肯定的な仕掛けがそこかしこにちりばめてあるので、


 スルスルッとうまく潜り抜けもとの肯定的な学習環境に引き戻すことができるのです。


 かくして、学習者のモティベーションを定期試験まで維持することができるのです。


 ◇   ◇   ◇


さて、私、お盆休みのため15日までお休みをいただきます。


 この次の更新は16日です。


 次回の「学習者の出席率を劇的に引き上げる協働(もどき)学習」は、


 (5)「チェック!チェック!チェック」です。


 どうぞ、お楽しみに。


参考文献:
D.W.ジョンソン他『学生参加型の大学授業
ゾルタン・ドルニェイ『動機づけを高める英語指導ストラテジー35


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