学習者の出席率を劇的に引き上げる協働(もどき)学習(3)「ペナルティを決める」

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プロフィール

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名前:篠崎大司(1971年生まれ)
出身:愛媛県
性別:男
職業:日本語教師(別府大学准教授)
ウェブサイトURL:http://www.kanjifumi.jp
一言:日本語教師というのは、本当におもしろくてやりがいのある仕事だと思います。

多文化共生と日本の生活に関する「いろは」が満載!
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学習者の出席率を劇的に引き上げる協働(もどき)学習(3)「ペナルティを決める」

 今回こそ、さらっと・・・。


 グループ分けが決まったら、今度は出席率80%を下回った場合のペナルティを決めます。


 このペナルティが、出席率を劇的に引き上げる最大最高の仕掛けです。


 だから、ここはきっちりと進めなくてはなりません。ここで教師がミスを犯したらすべてが台無しです。


 といっても、難しいことは何もないので心配いりません。


 まず、各グループにA4サイズのコピー用紙を1枚ずつ配ります。


 紙には予めマジックか何かで、上方に「Aグループ」とか「Bグループ」とか、各グループの名前を書いておいてください。


 それから学生にこう言ってください。


 「これから、出席率が80%より下がった時のペナルティを考えます。

 ペナルティは、皆さんがグループで話し合って決めます。」


 そしておもむろに、こう板書してください。


 「もし、週間の出席率が80%より下がったら、メンバー全員で__________をします。」


 そして、学生にこう言ってください。


 「___________にペナルティが入ります。

 どんなペナルティにするかメンバーで話し合って決めて、その紙に書いてください。

 決める時、必ずメンバー全員がいいと思うペナルティを決めてください。

 メンバーの中で一人でもやりたくないという人がいたら、そのペナルティはダメです。もう一度始めから話し合って決めてください。

 それから、ペナルティを決める時、次の4つは守ってください。

 1.教室の中でできること。

 2.5分ぐらいでできること。長くても10分。

 3.お金を使わないこと。

 4.下品なものではないこと。

 決まったグループから、みんなの前で発表します。

 ペナルティが軽くて、他のグループからブーイングが出たら、そのペナルティはダメです。

 また始めから考えてください。

 他のグループからOKがでたら、その紙の半分から下のところにメンバー一人一人のサインを書いて、私に出してください。

 はい、始め!!」


 そうすると、それぞれのグループは面白がって様々なペナルティを書いてきます。


 ちなみに私のクラスの学習者が書いてきたのは・・・。


・女性は腕立て伏せ20回。男性は50回。

・一人当たり4分間、クラスメート全員をマッサージする。

・他の国の歌を歌う。

・家で餅を作ってみんなに振舞う。


 ここで面白いのは、どのグループの学生も自分達が決めたペナルティよりも、他のグループの決めたペナルティに目が行って妙に興奮している点です。


 まだ自分の問題として受け取れていないんですね。


 フフフ、笑っていられるのも今のうちさ・・・。


 すべてのグループのペナルティが出揃ったところで、その紙を教室の一番目立つところに並べて貼ってください。


 そして、こう言ってください。


 「私はとても楽しみですね。

 Aグループの腕立て伏せがとても見たいです。

 Bグループに4分間、足をマッサージしてほしいです。

 Cグループの中国人には「オ〜ナラ、オ〜〜ナラ」(「チャングムの誓い」のオープニングテーマ)を歌ってほしいですね。

 みなさん、学校を休みたかったら休めばいいんですよ。

 後はみんなの前でペナルティをすればいいんです。

 明日から休みますか?」


 そうやって、学習者の闘争心(?)を煽れるだけ煽ってください。


 とりあえず、これで「ペナルティを決める」は終わりです。


 大切なことは、前回も言いましたができるだけ学習者に選択肢を与えてやる、と同時に責任も担わせる、ということです。


 これにより、学習者は俄然やる気を出して取り組みます。


 それからもう一つ大切なことは、活動にゲーム的な要素を取り入れることによって、ワクワク感を演出するということです。


 出席率を上げるための指導をしようとすると、得てして教室全体が説教部屋のようになり、常習犯不在、ちゃんと出席しているまじめな学生に注意してしまった結果、意欲のある学生のやる気さえ削いでしまうって事態になりがちです。(最悪!こんなクラスならむしろ欠席したい。)


 目指すは、どっちに転んでも明るい雰囲気を維持できて、しかも学習者を正しい方向に導く仕掛け作り。


 もちろん、教師は常に笑顔です。


 いかがでしょうか。こんなクラスなら自然と「行きたい!」って思いません?


 さて、次回の「学習者の出席率を劇的に引き上げる協働(もどき)学習」は、


 (4)「ポイントセール大作戦」です。


 どうぞ、お楽しみに。


 やっぱりさらっとじゃないじゃん・・・。


参考文献:
D.W.ジョンソン他『学生参加型の大学授業
ゾルタン・ドルニェイ『動機づけを高める英語指導ストラテジー35


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