【上級のクラスで初級の言い回しを使っていないか。】

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名前:篠崎大司(1971年生まれ)
出身:愛媛県
性別:男
職業:日本語教師(別府大学准教授)
ウェブサイトURL:http://www.kanjifumi.jp
一言:日本語教師というのは、本当におもしろくてやりがいのある仕事だと思います。

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【上級のクラスで初級の言い回しを使っていないか。】

メルマガ「篠研の日本語教育能力検定試験対策」より。
http://www.kanjifumi.jp/kyoshiyosei/nafl.htm
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今日は大学で「日本語教育教材論」の授業でした。

今日は、上級の語彙問題の作成。

受講生7名に、4肢選択問題を品詞別に
計16問作成させました。


そこでちょっと気になったのが、指示文の文体。


おそらく前回の授業で見せた市販教材
がそうだったんだろうと思いますが、

全員が全員、文末が「〜てください」
になっていました。


例えば、

「下の文の(   )に入るものを、
 1・2・3・4・の中から1つ選んでください。」


確かに、日本語教材の中にもこういう文体のものは
少なくないと思います。

ですが、私としてはこの表現は若干(いや、かなり)
違和感があります。


初級ならともかく、特に上級にもなれば、
私だったら、まず間違いなく、

「下の文の(   )に入るものを、
 1・2・3・4・の中から1つ選びなさい。」

と書きます。


どうしてかというと、「てください」だと
「指示」だけでなく「依頼」のニュアンスが
出てしまうからです。

「なさい」だと、明確に「指示」の意味だと分かります。


テストやタスクは、あくまでも学習者のために
行っているものですので、

「依頼」のニュアンスが出てしまう「てください」には
どうしても違和感を感じてしまうんですね。


初級の場合であれば、「なさい」という表現自体が未習
であることが多いので、むしろ「てください」のほうが
わかりやすい。


実際、日本語能力試験では、N5レベルだと「てください」
ですが、(こちら⇒http://www.jlpt.jp/samples/n5.html

N1ともなると「なさい」になっています。
(こちら⇒http://www.jlpt.jp/samples/n1.html


ちなみに、大学入試センター試験では「答えよ」「選べ」
で統一されています。
(こちら⇒http://goo.gl/jE9mLi


私が上級の問題に「なさい」を使うもう1つの理由は、
それが、学習者に対して

「『なさい』(指示用法)は、例えばこういう時に
 使うんですよ。」

という、使用例の提供にもなるからです。


初級であれば、未習の表現や文型が多いということから、

本来「なさい」と言うべきところを「てください」と言い直したり、

「どうしたんですか」と言うべきところを、のだ文が未習だという
ことで「どうしましたか」と言い直したりする配慮も必要です。
(いわゆる広い意味での語彙のコントロールってやつですね。)


ですが、既習事項が増えてくれば、教師の方もそうした
コントロールを少しずつ解除していかなければなりません。

でないと、学習者はいつまでたっても
「どことなく不自然さが残る日本語」
を学び続けなければならないからです。


ですが、特に初級から持ち上がりで日本語を教えていると
初級の授業の中で無意識に身についた初級的な言い回しを、

上級クラスになってもそのまま使ってしまうということが
ままあります。


どうかすると、初対面でも

「あっ、この人、絶対日本語教師。」

と分かったりします(というか、人のこと全然言えないけど。爆)


「上級のクラスで初級の言い回しを使っていないか。」

授業中の自分の日本語を、ちょっと観察してみては
いかがでしょうか。

意外な発見があるかもしれませんよ。


              ……人のこと、全然言えないけど。

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