スポンサードリンク
「あなたは砂場にいる子どもと一緒に遊びなさい。」
「あなたは鶏小屋にいる子どものところへ行きなさい。」
「あなたは雲梯をしている子どもを助けてあげなさい。」
とにかく、少しでも多く接するよう促しました。
少しずつ慣れてきたのか、そのうち何も言わなくても留学生のほうから自然に園児に話しかける光景が目立つようになり、30分たったころには、すっかりなじんでいる様子でした。
授業の最初のころはぜんぜん乗る気ではなかった中国からの男子留学生も、気がついたら狭いウサギ小屋の中に入り込んで、園児と一緒に遊んでいました。
「先生、うさぎはかみますか。」
彼なりに気を使いながら、楽しんでいる。
また、バングラディッシュからの留学生は、
「先生、子どもがみんな私の名前を覚えました。」
見ると、数人の園児が上り棒に上りながら、その学生の名前を連呼していました。
そうこうしている間に、私は留学生に読み聞かせをさせる絵本と紙芝居を人数分選びました。
どんな話が園児にウケるのか分からなかったので、とりあえず「おおきなかぶ」「ぐりとぐら」「桃太郎」といった定番は押さえておきました。
幼稚園の先生によると、繰り返しの多い話は園児も熱心に聴くのだそうです。
50分近くたったころでしょうか。私は留学生を集めて、そろそろ帰ろうと言いました。そして園児や幼稚園の先生方に挨拶をした後、留学生と一緒に大学の教室に戻りました。
教室では、まず一人一人に絵本や紙芝居を配り、家で読む練習をしてくるように指示。それから、昔話を書いてきた(調べてきた)か確認しました。
ほとんどの学生がしっかり宿題をこなしてきていましたが、みんな手書きで書いてきていたので、次の授業の前日までにメールで私のところに送るよう指示しました。
ここで今日の授業は終わり。
後から聞いた話ですが、あのときの園児の興奮は相当だったらしく、留学生が帰った後、幼稚園の先生は園児を部屋に集めて、気持ちが落ち着くまでしばらくビデオを見せたのだそうです。
実は、園児の中には私の息子と娘もいました。で、その二人も興奮しすぎてその日の夕飯をろくに食べることができませんでした。
ちょっとやりすぎたかな。
もっと早く切り上げるべきだったと思う反面、お互いに打ち解けるにはそれなりの時間も必要とも思います。この辺の見極めは今後の課題です。
それにしても、普段したことのないことを経験すると、学生の今まで知らなかった一面が見られたり、新しい発見や驚くことが本当にたくさんあります。
と同時に、いかに日頃学生を一面的にしか見ていないか、そして、自分自身、いかに狭い世界で生きているか、痛感させられます。
こういうことを肌で感じるって、結構大事かも・・。
皆さんはいかがですか?
(本シリーズは、私が2005年前期に大学の授業「応用日本語U」で行った「留学生による自作紙芝居読み聞かせ活動」の授業記録です。)


