『バイリンガル教育の方法―12歳までに親と教師ができること』2,625円
本書では、学齢期の児童に対するイマージョン教育(外国語漬けの学習)として、ガーダーの子どもへの対し方の鉄則(Golden Rules,Gaarder 1977)を紹介した上で、以下のように結んでいます。
「ここで大事なことは、外国語を使わなければならないニーズづくりが教師、親の第1の役割だとしていることである。」(p.83)
日本語そのものよりも、そうせざるを得ない環境を提供するということに我々教師は注力すべきだということだと思います。
私のまわりの留学生の中には、週15コマ大学で日本語の勉強をし、
アルバイトの時間まで同じ国の学生と時間を過ごし、
アルバイト先ではほとんど日本語を使わず黙々と働く(使うとしてもマニュアル通りの挨拶言葉ぐらい)、
そんな学生が結構います。
日本語の授業以外、実生活の中で日本語を使う必要性がほとんどない。
これでは、頭では「日本語を勉強しなきゃ。」と分かっていても、モチベーションが下がってしまうのも無理からぬことかもしれません。
逆に、授業に縛り付ける代わりに学生を野に放ち、「あれをするにもこれをするにも日本語ができないと事が前に進まないでしょ。わかったら後は自分で勉強しなさい。分からない時はいつでも相談に乗ってあげよう。」
ぐらいの距離感を保つ方が、実はお互いにとっていいのではないかとふっと思いったりします。(教育の本来の姿もそうなのではないかと。今は、ちょっとポイントの置き所が違うような気がする。)
だから、先の引用部分には私としては非常に共感できます。(少なくとも教師養成の授業は後期から絶対そうする!!)
しかし、…
それを上手く機能させるためには、留学生の日本語力を考慮しながら、恒常的に日本人と交流できる機会を提供しなければならないのではないかと思います。
授業数を減らすだけでは留学生の日本語力が下がるだけ。後々専門の授業についていくことはできません。
これが、私の大学だと非常に難しい。
なぜなら、日本人学生も週15〜20コマの授業をこなしているからです。(まるで高校生。理由は、みな資格に走るため。)
だから私としては、今のところ、国文専門の授業の中で、キャンパス内にある幼稚園の子どもと交流するのが精一杯。
きっと何かいい方法があるのだと思いますが、無学故なかなかいいアイデアが浮かびません。(妙案がある方は、ご一報を!)
いずれにしても、留学生に対する日本語教育のあり方を再考する必要性というものを強く感じました。
示唆に富む本です。ご一読をおすすめします。
『バイリンガル教育の方法―12歳までに親と教師ができること』2,625円


